不満と不安
~人々は、したくもない仕事をし、同時にそれを失うことを恐れている~
■企業や行政の人材育成に携わって10年以上になります。
最近4年間は講師として年間150本以上の研修を行い、直接多くの働く人々と接してきました。
新入社員から管理職まで、その数は延べ1万人を超えます。
■そんな自身の経験から感じるのは、実に多くの人々が、“不満”と“不安”を抱えながら働いているということです。
『仕事は楽しいかね?(デイル・ドーテン/きこ書房)』の言葉を借りれば、「退屈」と「不安」と言い換えてもいいでしょう。
そう、「人々は、したくもない仕事をし、同時にそれを失うことを恐れている」ようです。
■『ブルシット・ジョブズ―どうでもいい仕事の理論(デヴィッド・グレーバー)』には、「人々は内心必要がないと思っている作業に時間を費やし、精神的な傷を負っている」とあります。
そもそも、「Bullshit Jobs=どうでもいい仕事」という過激な言葉にそんなに違和感を覚えない人も多いのかもしれません。
■もちろん、そうではない人、わくわくしながら仕事を楽しんでいる人もいるでしょう……でも、残念ながら、私の実感ではかなり少数派です。
では、働くみなさんは、どんなことに不満や不安を感じているのでしょうか?
私がよく聞くのは下記のような不満や不安です。
■どんな不満?
◇単調な作業の繰り返しで、仕事自体がつまらない。
◇自分がやっていることにどんな意味があるのかわからない。
◇仕事上でやりがいや成長実感を感じられない。
◇生きるため、お金のため仕方なくやっている。上司も先輩もみんなそうだ。
◇給料が少ない。でも、残業は多い。
◇上司から押し付けられる(意義が定かでない)仕事が多過ぎる。
■どんな不安?
◇このままこの会社で働いていたら、どうなってしまうのだろうか。
◇10年後、20年後の自分がイメージできない。
◇業界や会社の将来が見えない。
◇目指したい先輩や上司がいない。
◇とは言え、自分もやりたいことが見つからない。
◇このまま定年まで“なんとなく”過ごしてしまっていいのだろうか。
■「キャリアデザイン研修」の中で、「今日、3億円の宝くじが当たったら、明日から仕事に来ない人は?」と言って挙手を求めると……半分以上の人が手を挙げます。
次に「じゃぁ、皆さん、目をつぶってみましょう。正直に、でいいですよ。」とさらに続けると……まず、90%以上は手を挙げます。
皆さんは、どうでしょう?
■私は、研修での受講者との対話を通じて、いかに多くの働く皆さんが仕事への情熱や期待を失っているかを肌で感じています。
多くの人が、このままではつまらない、将来が見えない……と思いつつも、そこから先を考えることはしないようです。
そして、業務に忙殺する日々に疲弊しているわけです。
■思考停止。
そう、思考停止の状態です。
その状況、私はよく理解できます。なぜなら、私自身がそうだったから。
私は、今まで5回も転職しています。今思うと、不満や不安が募ってくると、会社をやめる、その繰り返しだったと思います。
深く考えての転職というよりは、「環境を変えたい!」という思い先行の転職が多かったと思います。
“逃げの転職”と言うべきかもしれません。
■充実した職業人生を送るには、何をどう考えたら良いのか?が全くわかっていませんでした。
だから、随分と遠回りをしてきたような気がします。
■“より良いキャリアを自ら創る”
皆さんと一緒に考えていきたいのは、とてもシンプルなことです。
不満や不安ではなく、“やりがい”や“期待”を胸に働くには、どうしたらいいのか。
このブログはそのために書いています。