“夢”にケリをつけろ!
~“やりたいこと”がある人にもない人にも役立つ話~
■“夢”と言うと大げさに聞こえるかもしれませんが、“やりたいこと”がある人には、役に立つ話だと思います。(ない人にとっても“やりたいこと”を見つけるヒントになります)
■2016年の初春、4年ちょっと前の話。
私は、ある会社をやめて、半年間ほどの“プータロー”生活を送っていました。
他の会社への転職ではなく、“自分で何かをする”ことは決めていました。
一番イメージがしやすく、つまり現実的で、なおかつ自分のやりたいことだったのは、今の仕事、“プロ講師”でしたが、独立してすぐに仕事があるわけもなく、時間はたっぷりありました。
■経済的には、極貧……。
二人の育ち盛りの子どもがいる家庭で、今、思うとよくあの極めて少ない収入で生活できたものだと思います。
失業保険も打ち切られ、肉体的にかなりハードなバイトもしました。(この話は機会があればまたしますね)
今、思い返すと、ジワ~っと涙が出てくるような、苦しい時期でした。
■実は、他にもやりたいことがあった。
そんな中でしたが、私には“プロ講師”の他に、ずっとやってみたいと思っていたことがありました。
それは“農業”です。自分では、少しカッコつけて”ファーマー”と呼んでいましたが。
■そんなときに、縁があって、ある農場で働く機会が得られたのです。
自宅から車で30分ほど。そこには“ザ・ニッポン”な田園風景が広がり、まさに私がイメージしていた“夢の職場”でした。
まだ2月、朝には雪もうっすらと積もっていましたが、つくし、ふきのとう、たんぽぽが芽生えています。
梅の蕾、清冽な空気、小鳥のさえずり、透き通った高い空……パーフェクトでした。
仕事が始まるまでは……。
■そこでは、
畑の整地、ビニールハウス内に鶏舎制作(平飼いの鶏を買う予定だった)、じゃがいもの種イモ植え付け、ビニール張り、等など多くの農作業を体験しました。
2ヶ月間、週4日くらい。日の出前から始めて、日没まで。
■充実感はありました。
畝起こしなど、うまくできないことも多く、技術的なストレスはありましたが、やりたかったことに携われていることにそれなりの充実感を感じていました。
毎日、作業が終わった後にみる風景、特に山裾に太陽が沈んでいく雄大な風景は、私を癒やしてくれました。
■ただ、あまりにキツイ。
作業をした日は、何も考えることができません。というか、脳までエネルギーがいかない、という感じです。
家に帰り、シャワーを浴びたら、明日に備えて寝ることだけ。そして、気づけば朝になっている、そんな感じです。
農業は、休みがありません。私は週4日程度でしたが、“本業”でしたら、当然毎日です。
■そして、あまりに収入が少ない。
同じ農場内にテニスコート一面ぐらいの大根畑があり、収穫の時期を迎えていました。ザクッと数えたら、大体200本くらいに大根が育っています。
その時は、スーパーで大根1本100円ぐらいで売っていました。農協の仕組みはよくわかりませんが、仮に50円で売れたとしても、200本で1万円!このテニスコート一面の大根が全部売れても1万円!
私は思わず、「あり得ない……」とつぶやいていました。
その大根を育てるのにどれぐらいに時間と労力が必要なのか、農業を極々、ほんの少し齧っただけの私ですが、「とにかく大変」であることは察しがつきます。
■もちろん、仕事から得られる喜びは対価だけで推し量れるものではありません。
でも、“本業”でやるには、あまりにも対価が少な過ぎる。
痛烈にそう感じました。
今思えば、それが、私の「ファーマーになる」という“夢”にケリがついた瞬間でした。
■長い話になりましたが、
私がお伝えしたいのは、「“夢”や“やりたいこと”があるのなら、何か小さな行動を始めてみる」ということです。
資料を取り寄せる、体験してみる、実際にやっている人の話を聴く等、どんな小さなことでもいいから始めてみてはいかがでしょうか、ということです。
そうすれば、イメージが湧きやすくなります。
本当に“やりたいこと”なのかが、実感・実体をともなって肚落ちするでしょう。
もしかしたら、そこから派生して新しい“やりたいこと”が生まれるかもしれません。
■夢の周辺をうろつく。
定年後に時間ができたら、とか言っていても、そのときには時間も体力もないかもしれません。
そして、何よりもコワイのは、「思っていたのと違った……」という失望です。
■くれぐれも、「新しい仕事を積極的に探そう」という話ではありません。
今の仕事においても、同じアプローチで“やりたいこと”をクリアにしていくことができるはずです。
「面白そう」とか「やってみようかな」というちょっとした“心のざわつき”を感じたら、ちょっとした“行動”をしてみるといいかもしれません。
(後記)私は今でも自然の中にいると落ち着きます。おそらく好きなんでしょう。
でも、仕事にはできないと“ケリ”をつけています。農業に真剣に取り組んでいる皆さんには、本当に頭が下がる思いです。
実は、“林業”も経験したことがあるのですが……長くなるので機会があれば、また話をしますね。