何によって人に憶えられたいか?
~Being-Doing-Havingの話~
■「何によって人に憶えられたいか?」
ドラッカーの著書に出てくる言葉です。
どんな価値観、仕事観を大事にしているのか?
自分が目指し続けるものは何なのか?
そんなことをズドンと突き付けられるシビアな言葉だと思います。
■目標設定の脆さ
仕事を進める上で、我々はよく目標設定をします。
・売上1,500万
・商談1日3件など
プライベートにおいても
・6月中に体重3キロ減らす
・今年中に禁煙など
今までいくつもの目標を立て、その達成を目指して行動してきました。
(少なくとも始めの3日間くらいは……)
でも、その多くが未達に終わり、気づけば、“言い訳の達人”となっている自分がいたりします。
でも、言い訳していることは、自分自身がいちばん、わかっています。
だから、「また自分を裏切ってしまったなぁ……」と自己肯定感が毀損されてしまいます。
すると、「どうせやらない(できない)んだから」と目標を立てることを避けるようになります。
会社から与えられた目標は、本気で取り組もうとしなくなります。
つまり、目標設定⇒未達の繰り返しは、我々を疲弊させるわけです。
■Being-Doing-Having
◇Beingとは、“あり方”に関するです。
「私はかくありたい」という目標です。
冒頭の「何によって憶えられたいか?」という問いに対する答えがこれにあたります。
例えば、「関わる人をハッピーにする」「専門性で高い評価を得る」といった抽象度が高い目標です。
昔の人は、夜に旅をするとき、北極星の位置によって方向を推測したといいます。
Being目標はまさにこの北極星の役割を果たすものです。
我々が進むべき方向を示してくれるものです。
◇Doingとは、“Being実現のためにすること”に関する目標です。
例えば、「○○の営業」とか「○○商品の開発」といった、主に自分が行う仕事がこれにあたります。
◇Havingとは、“Being、Doing目標実現のために必要なこと”に関する目標です。
例えば、「売上1,500万」とか「体重3キロ減」といった、自分が得たいことがこれにあたります。
■3つの目標に一貫性があるか?
Being、Doing、Havingはそれぞれが有機的にひも付いています。
そして、それらに一貫性があるとき、我々の目標は達成に近づくのです。
例えば、
Being:関わる人をハッピーにする
Doing:○○の提案営業
Having:売上1,500万
という3つの目標が、自分の中に“肚落ち”できたとき、達成に向けた行動がグンと加速するわけです。
別の言い方をするならば、「やらないではいられなくなる」わけです。
例えば、関わる人をハッピーにしたい、というBeingを実現するために、私は○○の提案営業をしている。
そして、今月の売上1,500万は、多くのお客様やチームのみんなをハッピーにするためには、どうしても必要な売上だ。と、肚落ちできるているか、どうかです。
■会社員は、自分で考える余地が少ない。
なぜなら、Doing(例えば営業職)やHaving(例えば売上数字)が予め決まっていることがほとんどだからです。
だからこそ、Being目標が重要になってきます。
自分はDoingやHavingの目標達成を通じて、どんな人間になりたいのか、と考えてみることです。
スグには、答えが出ないかもしれません。
でも問い続けるのをやめないことです。
多くの場合、時間がかかっても、シックリくる自分のBeing目標が見つかるものです。
※これは、実はチームのメンバーを動機付けるマネジャーの仕事でもあります。
メンバーとの対話を通じて、お互いの価値観を共有し合える職場は、生産性が高くなります。
■冒頭のドラッカーの言葉には続きがあります。
私が13歳のとき、宗教の先生が生徒一人ひとりに「何によって人に憶えられたいかね」と聞いた。
誰も答えられなかった。先生は笑いながらこう言った。
「いま答えられるとは思わない。でも、50歳になって答えられないと問題だよ。人生を無駄に過ごしたことになるからね」
(後記)
Being-Doing-Havingの目標設定は、Career Quest プログラムにおいて、とても重要なセッションになります。その具体的なやり方については、またお話しますね。