“緊急でないが重要なこと”をする。
~タイムマネジメントはこれに尽きる~
■時間に追われる毎日。
働いている皆さんの中で、「時間が潤沢にある」と感じている人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
おそらく多くの方が、「もっと時間がほしい」と切望されているのではないかと思います。
私が、ある市から依頼を受けて行っている「タイムマネジメント公開講座」は毎回、定員オーバー。
皆さんの興味・関心の高さを肌で感じています。
■パパが知らない間に大人になっちゃうよ。
私自身、特に子どもがまだ小さかったときは、残業、残業の毎日にストレスを感じ、「早く帰りたい!」と心底思っていました。
早く帰って、かわいい子どもたちと触れ合いたい、お風呂に入れたり、寝る前に遊んだり、本を読んだりしてあげたい、でも、それができないもどかしさに苦しんでいました。
子どもと触れ合う時間は、何よりも癒される時間、喜びの時間でした。子どものためというよりは、自分のために早く帰りたかった。
(仕事自体をそこまで「面白い」と感じていなかったかもしれませんが……)
ある日、テレビのCMで小さい女の子が、「私、パパが知らない間に大人になっちゃうよ」というようなセリフがあり、「そんなの耐えられない!」と強烈に感じたのを覚えています。
なので、会社員時代から、タイムマネジメントに関しては、いろいろ試してきました。
それが昂じて、エクセルでオリジナル手帳を作っていたこともあります。
ちなみに、その手帳は、18時以降は予定を書き込めないつくりになっていて、“ノー残業手帳”と名付けていました。
■鉄板は、“第3の習慣”
タイムマネジメントの鉄板と言えば、コヴィー博士の“7つの習慣”の“第3の習慣:最優先事項を優先する”です。
我々は、どうしても第Ⅰ領域:緊急で重要(と思われる)なことや、第Ⅲ領域:緊急だが重要でないこと、に振り回されてしまいがちです。
“緊急”であるが故に、やらざるを得ない。
そして、仕事の多くが、“緊急”であるために、一日の大半の時間、ときには全ての時間を費やすことになってしまう。
そういう日々を過ごしていると、一定の充実感はありますが、常に時間に追われてる感覚から来る疲労感も大きい。
その疲労感を、紛らわすために、今度は第Ⅳ領域:緊急でも重要でないこと(例えば、テレビやYoutubeを次から次へと見てしまう等)に時間を費やし、さらに時間がなくなる、そんな悪循環が続くことになります。
そして、あっという間に1年、2年と過ぎ去っていってしまう。
「この1年でどんな成長を遂げましたか?」と聞かれても答えられない、ただなんとなく1年が経ってしまったように感じる……、身につまされる話です。
コヴィー博士は、第Ⅱ領域:緊急でないが重要であること、にフォーカスすべき、と言っています。
「いま必ずしもやる必要がないように見えるが、将来の自分に役に立つ」そういう活動に、時間を割けるように環境を整えなくてはならない、と。
■でも、なかなかうまくいかない。
タイムマネジメントを実践したことがある人なら、「第Ⅱ領域に取り組み価値・重要性はわかっていても、なかなかうまくいかない」と感じている人が多いのではないでしょうか。
◇私自身の話ですが、年間150回の研修を行うためには、それ相応の準備が必要です。
少なく見積もっても研修時間と同じくらいは準備に時間をかけています。
つまり、研修そのものと合わせると、年間300日以上は働いています。
フルで一日休む、という日は年に数えるほどです。
「いかん、いかん」と呟きながらも、準備⇒研修⇒準備⇒研修という日々が繰り返されます。
そうすると、やりがいのある仕事とはいえ、“緊急で重要”な仕事のオンパレードは、ツライものがあります。
これでは、タイムマネジメントの研修をしている講師が、時間に追われて倒れてしまう……という笑えない話になってしまいます。
そんな日々の中で、改めて思うのです。
コヴィー博士は正しい、と。
■「時間が空いたらやろう!」では、一生できない。
普通に働いていたら、緊急な仕事は、次から次へとやってきます。
まるで、来たボールを打ち返すテニスみたいに。でも、ボールはエンドレスでやってきます。
重要だけれど緊急でないこと(将来の自分に役に立つこと)はどうしても後回しにしてしまいがちです。
時間ができたらやろう、と。
でもこれでは、時間は絶対(と断言してもいい)、創り出せません。
まず、第Ⅱ領域の時間を確保すること。
そして、残りの時間で他の仕事をすること。
時間の使い方を逆転させなければなりません。
■“成果”につながる仕事しかしない。
時間の使い方を逆転させるには、仕事量を減らす必要があります。
やるべき仕事か、やらなくてもいい仕事か、自分がやるべき仕事か、誰かに任せられる仕事か、という判断をしていかなくてはなりません。
何よりも重要な判断基準は「この仕事は、成果につながるものなのか?」です。
成果につながらない、または投下時間に対する成果が少ない仕事は、思い切ってカットしていきましょう。
■“成果の定義”が重要
ここでポイントなるのは、何をもって成果とするか、です。
個人活動においてもチーム活動においても、これをクリアにしておかないと、判断基準がブレてしまうことになります。
例えば、私の場合、研修の資料作成に多くの時間を使っています。
“わかりやすい資料”は、研修成果を高めるためには、必要不可欠な要素だと思っています。
ただ、“必要以上にこだわる”クセがあります。
ときには、どのイラストを使うかで1時間も迷ったり、わずか5ミリぐらいのレイアウトの違いに拘ってしまったりすることがあります。
でもそういった作業は、研修の成果、つまり「受講者の行動変容を促す」という観点から見ると、ただの自己満足……“ムダ”な時間です。
企業においても、例えば、ドラッカーの「顧客の創造」という観点から見たとき、ムダな仕事ってたくさんあるのではないでしょうか。
ただ、社内の誰かの自己満足を満たすためだけの会議とか、誰も読まない書類の作成とか……
“ムダ”な時間です。
■徹頭徹尾、第Ⅱ領域。
自身の経験から、ほっといたら、第Ⅱ領域に使う時間は、捻出できないことを身に沁みて感じています。
だからこそ、今までとは優先順位を変えて、まず確保すべきは第Ⅱ領域であると肝に銘じ、実践しています。
私にとっての第Ⅱ領域の仕事、つまり将来役に立つ仕事とは、プログラム開発、人間関係の構築、読書などによるインプット、体力作り、休息等。もちろん、このブログを書くこともそうです。
まずは、自分にとって、また所属するチームにとっての第Ⅱ領域にあたる仕事をリストアップする。
そして、それに使う時間を確保する。
タイムマネジメントはこれに尽きる、そう考えています。
(後記)
タイムマネジメントはトライ&エラーの繰り返しで、その精度が上がっていくものです。
そして一過性ではなく、ずっと続けるもの。
あまり深刻になり過ぎずに試行錯誤を楽しむ、というスタンスも重要だと思います。