その幸運は偶然ではないんです!
~もうキャリアプランはいらない~
■今日は、キャリア自創に役立つ書籍を紹介させていただきます。
今回選んだ本は、『その幸運は偶然ではないんです!』(J・D・クランボルツ+A・S・レヴィン/ダイヤモンド社)です。
本の帯に「もうキャリアプランはいらない」と大書されているのが、気になる本です。
私は、4年ほど前にこの本をはじめて読みました。
その時に、
1,000ピースのジグソーパズルが完成した時のような爽快感を感じました。
今までの自分は、間違っていなかったんだという自己肯定感、
将来、自分が進むであろう方向を感じ取った昂揚感、
そんな感情が綯い交ぜになって、「これだ!」と心が浮き立ったのを覚えています。
クランボルツ氏の提唱している“Planned Happenstance Theory:計画的偶発性理論”は、キャリア・クエストの重要コンセプトになっています。
■冒頭に、著者が伝えたいことがまとめられている(ありがたい!)ので引用します。
『慎重に立てた計画よりも、想定外の出来事や偶然の出来事が、あなたの人生やキャリアに影響を与えていると感じたことはありませんか?偶然の出会い、中止になったミーティング、休暇の旅行、穴埋めの仕事、新しく発見した趣味――こうしたことが、人生やキャリアを思わぬ方向へ運んでくれる経験――偶然の出来事(Happenstance)――の一部です。この本を通して私たちがあなたに伝えたいのは、結果がわからないときでも、行動を起こして新しいチャンスを切り開くこと、偶然の出来事を活用すること、選択肢を常にオープンにしておくこと、そして、人生に起きることを最大限に活用することです。私たちは計画を立てることを否定するわけではありません。ただ、うまくいっていない計画に固執するべきではないと考えているのです。』
■「入社動機を語る会」
というグループワークを、キャリアデザイン研修で行うことがあります。
このセッションの本来の意図は、「仕事でツライことに直面し、今は日々大変かもしれないけど、入社時の“初心”を思い出すことで、リフレッシュスタートを切りましょう!」というものでした。
ところが、フタを開けてみると……。
ワークが始まり、受講者の皆さんから出てくる言葉は、
「学校の先生に勧められたから」
「地元では、有名な企業なので友達にチヤホヤされると思ったから」
「とにかく安定しているから」
「面接してくれた人事の方の印象が良かったから」
「先輩が働いていて、ボーナスが多いと聞いていたから」等々。
中には、
「五十音順で会社リストを見ていて、ア行にあった唯一知ってる会社だったから」という強者?もいました。
もちろん、
「インフラ整備という人々の生活を支える仕事がしたかった」
「大好きな地元に貢献したかった」
「同じ仕事をしている父の姿を見て、自分もなりたかった」
といった、聞いててなんだか“ホッとする”動機の方もいます。
でも10人に1人ぐらい、という感じです。
(そういう方の発言を聞いている周りの人は、「オマエ、マジか?」とか「すごいな……」と心から驚いています)。
「初心を思い出す」という目論見は、見事に外れます。
そして、特に何も考えていなかった人がほとんどであることが明るみになる“少し物哀しいセッション”に変容してしまいます。
でも、それでいい、と思っています。
■そもそも“初心”がない!
多くの人が、“強い想い・意気込み”を持って就職しているわけではない、ということです。
1年前には考えてもいなかった会社で、特に理由もなく働いているのは、普通のことなのです。
皆さんが、思っている以上に、皆さんのキャリアは“偶然”創られています。
まず、その事実を認識することは、とても大事なことだと思うのです。
■“偶然”も創れる。
さらに大事なのが、そこから派生して「偶然も創れる」ことに気づくことです。
ただ、偶然に翻弄されるのではなく、「自分にとって意義のある偶然を創り出してやろう」と思うことです。
“偶然を創り出す作法”や“偶然をキャリアに変えた人たちの事例”がこの本には書かれています。
■キャリアプランを作ることは、ムダとは言いません。
ただ、それによって“頭でっかち”になり、“失敗への恐れ”が払拭できず、結果として“やるやる詐欺”になってしまっては、意味がありません。
行動を起こして新しい機会=チャンスを創ること、そのプロセスで産み出された偶然の出来事を最大限に活用する方が、よっぽど現実的だと思います。
大事なのは「はじめの一歩」を踏み出す勇気、そして、試し続ける根気なのではないでしょうか。
■【今日の学び】
◇自身のキャリアは“偶然”で創られている。
◇“偶然”は、意図的に創ることができる。
◇何もしなければ、どこにもたどり着かない。
◇結果はコントロールできないが、行動はコントロールできる。
◇情熱は、行動によってつくられる。
⇒まずは、想定外の出来事を起こす行動リストをつくる!
(後記)
巻末に、ジョン・W・ガードナー(アメリカの政治家)の言葉が引用されていました。
“いつも学び、いつも挑戦し、いつも好奇心を持つ”
『私のキャリアは一貫性はあったけれども、もつれた毛糸玉のようだった。
私は自分がどこに向かっているかを理解していただろうか? ぜんぜん!
私は論理的にキャリアを計画していだろうか? ぜんぜん!
全体構想などなかった。
私は、生涯を通じて元気よくへまをやり、成功し、頭から転び、起き上がってはまた前に突進して、いくつかのシンプルな価値観にこだわり、だれかが言っていたように“いつも学び、いつも挑戦し、いつも好奇心を持つ”というよい信念を持って生きようとしてきたカリフォルニアの少年だった』
私もガードナーのように働きたい、そして、多くの方と分かち合いたい。
そう思っています。