奇跡の職場
~新幹線清掃チームの“働く誇り”~
■今日は、キャリア自創に役立つ書籍を紹介させていただきます。
今回選んだ本は『奇跡の職場 ~新幹線清掃チームの“働く誇り”~』(矢部輝夫著/あさ出版)です。
■どんな本か(amazonより抜粋)
~日本テレビ「世界一受けたい授業」、TBS「朝ズバッ! 」、「Yahoo!ニュース」、「東洋経済オンライン」、「日経ビジネスオンライン」、……「日本経済新聞」、「週刊ダイヤモンド」「週刊東洋経済」、テレビ、新聞、雑誌、ネットニュースで大反響!
10万部を突破した『新幹線 お掃除の天使たち』で話題沸騰中の、新幹線清掃チームTESSEI(テッセイ)。その取り組みは今や世界から注目され、CNNやハーバード、フランス、エジプト、韓国など世界各国から視察や取材が殺到しているほど。いわゆる「3K」の、進んでやりたい人もいない仕事が、なぜ世界の注目する「おもてなし集団」になったのか? その秘密を仕掛人が自ら語ります! ~
◇著者の矢部さんが、JR東日本からテッセイに異動になった当時、スタッフの多くは「たかが掃除」と仕事に希望を持っていませんでした。
そんなスタッフが世界中から注目される「おもてなし集団」にドラマティックに変貌を遂げたのです。
そこには、どんな秘密が隠されていたのでしょうか。
■スタッフがイキイキと働くために必要なこと
職場のスタッフが“誇り”を胸にイキイキと働くためには、何が必要なのか。
テッセイの事例を紐解くと、どの職場にも応用できる多くの教訓を得ることができます。
その教訓を心・技・体という3つの切り口でまとめてみます。
■心(マインド)
◇内発的動機
テッセイでは、ほとんどのスタッフが自分のしている仕事に対してネガティブなイメージしか持っていませんでした。
お金のために仕方なく働くという、外発的な動機しかなかったのです。
そんなスタッフに矢部さんは、『新幹線を利用されるお客様にとって、駅や車内で起こることのすべてが「思い出」につながる、つまり、テッセイは、掃除という仕事を通じて思い出を提供している、おもてなしをしているんだ』と言い続けたのです。
その想いによってリーダー層の意識が変わり、スタッフの意識が変わっていったのです。
◇主体性
スタッフのアイデアを積極的に取り入れるのもテッセイの大きな特色です。
夏にはアロハシャツや浴衣を着たり、12月はサンタの格好など、お客様に季節を感じていただくためのアイデアはすべて、現場のスタッフのアイデアで始まったそうです。
スタッフが主体的にお客様や自分たちが楽しめることを考え実行する、喜んでもらえるからさらに工夫をする、という好循環が生まれたのです。
■技(スキル)
◇新幹線劇場
わずか7分間という限られた時間の中で、新幹線を完璧に清掃するのがテッセイの仕事です。
その見事な仕事ぶりから「7分間の奇跡」とか「新幹線劇場」とも呼ばれています。
そして、その劇場で演じるキャストが掃除のスタッフなのです。
その役を演じるためには、スタッフ全員が一人で新幹線の一車両を清掃しなければなりません。わずか7分間で。
と同時に、お客様へのマナーやおもてなしも忘れてはならない……大変な仕事です。
その大変な仕事を「見事にやり切る」ことで、多くのお客様から感謝され、『感動して泣きそう』などの称賛の言葉をもらえるわけです。
「その仕事のプロフェッショナルであるという自信」や「自分がどんどん成長しているという実感」は、イキイキと働くための原動力になります。
“スキルの磨き上げ”を常に怠らないからこそ、自分の腕に対するプライドが芽生えるのでしょう。
テッセイでは研修にも力を入れています。
技術的な研修はもちろん、マナーなどおもてなしのための研修も欠かせません。
そういったスキルアップの機会は、とても重要なことだと改めて感じます。
■体(環境)
◇たかが制服、されど制服
以前のテッセイの制服はまさに「掃除のおばちゃん、おじちゃん」を彷彿させるものでした。
そこで、矢部さんは、“掃除だけでなくおもてなしもする人”と周囲に思ってもらえるような見栄えのする制服に変えたのです。
その効果は絶大で、新しい制服になってからは、多くのお客様がスタッフにいろいろなことを尋ねるようになったのです。
尋ねられたことに答えるためには、学ばなければなりません。
スタッフは常に「見られている」ということを意識し出し、掃除の技術のみならず、マナーや接客もすすんで学ぶようになっていったのです。
最初は新しい制服に違和感を持っていたあるスタッフは、「おばあちゃん、かっこいい!」と家族に言われたと本当に嬉しそうな顔で話していたそうです。
◇エンジェルレポート
テッセイでは地道にコツコツと頑張っている人たちの日々の活躍ぶりを、30人の「エンジェルリポーター」と呼ばれるスタッフが集めて社内報などに載せています。
例えば、『車内清掃をホームから熱心にご覧になっている外国のお客様が数名いらっしゃいました。作業終了後、ホームで整列し一礼すると・・・・・・割れるような拍手と完成!そばにいた日本人のお客様も「ご苦労様!」スタッフ一同感激し、本当に幸せでした。新幹線劇場って、なんて素敵なんだろう』
といったレポートです。
現場では日々、こういった素敵な出来事が起こっています。
でも、その多くは「あたり前のこと」として褒められる対象にはなっていなかった。それをエンジェルレポートによって取り上げることでスポットライトを当てるようにしたのです。そのレポートの数は5年間で13,000件にもなったそうです。
私たちは、仕事上でのミスや改善すべき点に目が行きがちですが、「あたり前のことをあたり前にやっているすごさ」を称え合うことは、ぜひ真似したいことです。
■三拍子が揃ったとき
『スタッフの多くは、テッセイで劇的に変化しました。私が変えたのではありません。もともと持ち合わせていた自分の思いを素直に語り、実践し始めたのです。その姿には、どんな仕事にも共通する本質が隠されているように思います』と矢部さんは、語っています。
多くの人が、楽しく働きたい、仕事を通じて誰かの役に立ちたいと想っています。
心(マインド)、技(スキル)、体(環境)の三拍子が揃い、その想いが叶えられたとき、「ずっとこの仕事を続けたい」と我々は感じるのでしょう。
(今日の名言)
私は、誇りを捨てて清掃員としてテッセイに入りました。でも今私はテッセイで新しい誇りを得ることができました。
~テッセイの女性スタッフ~