強みは一つではない。
~自分の強みの見つけ方Ⅲ~
■自分の強みの見つけ方(続き)
前回は、下記4つのアプローチの内、「1.自分で考えてみる」についてお話しました。
1.自分で考えてみる。
2.診断ツールを使ってみる。
3.周囲の人に聞いてみる。
4.両親の強みから考えてみる。
繰り返しになりますが、自分が、「確かに、これは私の強みだ!」と納得できることが大事。
そのために必要不可欠なのが“言語化”する作業。
そして、実生活の中で発揮してみることによって、その強みを、“本当に自分のもの”にすることができるわけです。
上記のアプローチは、そのためのキッカケを与えてくれます。
2.診断ツールを使ってみる。
自身の強みを診断してくれる便利なツールがあります。
要素の抽出根拠が明確で(妥当性)、なおかつ受検者が多い(信頼性)ツール、即ち、科学的に信頼できるツールとして2つ、紹介させていただきます。
◇VIA-IS
https://www.viacharacter.org/survey/account/register
ポジティブ心理学のクリストファー・ピーターソン博士とマーティン・セリグマン博士が開発したツールで、世界中の書物から、様々な文化で共通する善となる価値観(美徳)を調べ、「徳性」と呼ばれる要素を抽出したもの。
VIA研究所が提供するこの診断ツールは、190ヶ国500万人以上の人々に使用されているとのこと。
強みは、24種類に分類され、そのうちトップ5の強みが「自分を特徴づける強み(Signature Strength)」となります。
Web上で無料で受検でき、結果もすぐにわかります。
PDFでダウンロードできるのも嬉しいですね。
※無料で受検できるが、一つのメールアドレスで受検できるのは1回のみ。
◇ストレングス・ファインダー
https://www.gallup.com/cliftonstrengths/ja/home.aspx
ギャラップ社が開発した診断ツール。
200万人強の人たちへのインタビュー結果から、「強みとなり得る資質」を抽出したものがベースとなっています。
34の要素から構成され、VIA-IS同様、トップ5の強みが自分を特徴づけるものとなります。
これも非常に受検者数が多く、広く支持されているツールです。
『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー』という本に付いてくるアクセスコードを使って受検するか、URLからも直接受検できます。
※いずれの方法にしても、有料。
◇2つの診断ツールで抽出されている強みの要素
【VIA-ISの24要素】
①審美眼 ②勇敢さ ③創造性 ④好奇心 ⑤公平さ ⑥寛容さ ⑦感謝 ⑧誠実さ ⑨希望 ⑩慎み深さ ⑪ユーモア ⑫知的柔軟性 ⑬親切心 ⑭リーダーシップ ⑮愛情 ⑯向学心 ⑰大局観 ⑱忍耐力 ⑲思慮深さ ⑳自律心 ㉑社会的知性 ㉒スピリチュアリティ ㉓チームワーク ㉔熱意
【ストレングス・ファインダーの34要素】
①分析思考 ②原点思考 ③未来志向 ④着想 ⑤収集心 ⑥内省 ⑦学習欲 ⑧戦略性 ⑨適応性 ⑩運命思考 ⑪成長促進 ⑫共感性 ⑬調和性 ⑭包含 ⑮個別化 ⑯ポジティブ ⑰親密性 ⑱活発性 ⑲指令性 ⑳コミュニケーション ㉑競争性 ㉒最上志向 ㉓自己確信 ㉔自我 ㉕社交性 ㉖達成欲 ㉗アレンジ ㉘信念 ㉙公平性 ㉚慎重さ ㉛規律性 ㉜目標志向 ㉝責任感 ㉞回復志向
◇人の強みは一つではない。
VIA-ISの場合、強みとして診断されるトップ5の組み合わせは、24✕23✕22✕21✕20=5,100,480 510万通り以上!
ストレングス・ファインダーに至っては、34✕33✕32✕31✕30=33,390,720 3,300万通り以上!
5つとも同じ強みを資質として持つ人はいないに等しいのです。
ここで言えることは、私たちが持っている強みは一つではなく、複数あるということ。
そして、その組み合わせにより構成される自分の強みは、“オンリーワン”のものであるということです。
だから、どの組織においても、“自分の強みを活かす”価値があるということです。
◇自分の強みを考えるきっかけとしては、とても有効。
2つの診断ツールを紹介しましたが、いずれも設問に“自分”で答えることで、導き出される強みです。
受検した時の気持ちや、無意識に働く「こうありたい!」という思いによって、結果が左右されることもあるでしょう。
また、上述した要素を見ればわかるように、診断ツールによって“切り口”が異なります。
なので、診断結果を鵜呑みにして、それに固執するのではなく、「当たってる」「そうかもしれない」「ちょっと違うな」等、自分なりに考えるきっかけにするのがいいと思います。
◇私が、最近受検したVIA-ISのトップ5は、
①ユーモア ②誠実さ ③審美眼 ④創造性 ⑤熱意
4年ほど前に受検した時のトップ5は、
①審美眼 ②ユーモア ③感謝 ④スピリチュアリティ ⑤向学心 でした。
「ユーモア」と「審美眼」は共通していますね。
ちなみに、「審美眼」とは、「人生のあらゆる領域、つまり自然から芸術、数学、科学、日常の経験に至るまで、そこに美や卓越性、あるいは熟練の技を見出し、それらの真価を認める人」とのこと。
この診断を受けるまでは、思いもよらなかった強みですが、「そうかもしれない」と思います。
「ユーモア」「創造性」は、「当たってる」と思います。
◇10年ほど前に受検したストレングス・ファインダーのトップ5は、
①コミュニケーション ②ポジティブ ③最上志向 ④社交性 ⑤成長促進
「当たってる」と思うものもありますが、「だったらいいな」という私の希望が反映されているものもある気がします。
※3、4のアプローチについては、以降のブログでお話しますね。
(後記)
VIA-ISでは、24の強み要素が、1位から24位までランキングされて出てきます。
ちなみに、私のワースト3は、㉒思慮深さ ㉓忍耐力 ㉔慎み深さ
当たってると思うからでしょうか…‥ちょっと、へこみますね……。