残念ながら正解はない。
~キャリアは“偶然”で創られる~
■我々は、子どもの頃から、ずっと大人の期待に応えようと奮闘してきました。
親から、親戚から、先生から、時にはキャリアカウンセラーから、「何になりたいのか?」「将来の夢は?」「人生の目標は?」などと問われた経験は誰にでもあるでしょう。
(幸いなことに私は親からその手の問いを受けたことはほとんどなかったが)
小学校、中学、高校、大学と進むにつれ、その頻度が増え、答えるのが苦痛になっていきます。
はじめは、「○○ちゃんは、将来何になりたいの?」と“軽い問いかけ”だったのが、やがて“質問”に、そして、最後には“詰問”に変わっていく。
「答えなければ」というプレッシャー、真綿で首を締められるように、徐々に、徐々に、苦しくなっていく。
■そうすると、自衛手段として、我々は、周囲が喜びそうな答えを伝え出します。
例えば、小さい頃は男子だったら「プロ野球選手」とかちょっと無理して「宇宙飛行士」とか、言っておけば間違いないでしょう。
女子だったら、「お花屋さん」とかちょっと無理して「歌手」とか。「へぇ~、スゴイね、頑張ってね」で大人は“開放”してくれます。
■でも、大きくなるとそうはいかない。
「いつまでも子どものようなことを言ってないで、地に足を着けて考えなさい」と言われ出します。
文系か理系かという二択を迫られ、(好きな先生がいる科目で選ぶしかない!)より現実的と思われる答えを言うようになります。
「商社マン」「銀行員」「研究者」「公務員」「事務職」等など。そうすれば周囲の大人が納得するからです。
大学のキャリアセンターの大人は、目をギラギラさせてこう言うでしょう。
「じゃぁ、まず、志望企業を考えましょう」
■そんな流れの中で、私たちは仕事を決めることが多い。
学生時代から明確な意志や目標を持って、ブレずに仕事を決められる人も中にはいます。でも、圧倒的に少ないのではないでしょうか。
そんな“仕方なく且ついい加減且つお仕着せのプロセス”で仕事(会社)を決めているのに、一度決めたら「それに拘らなければならない」と今度は逆のプレッシャーに苛まれるわけです。
就活時もそう、働きはじめてからもそう。
元々“適当に決めた”ことなのに、それに拘る……これはオカシイ、と思うのです。
■転職しましょうとか、起業しましょう、とかそういう話ではない。
決してそういう話ではありません。
もっと我々はキャリアに対してオープンマインドでいいのではないか、ということです。
自由に考えたらいいのではないか、ということです。
■そもそも正解はない。
キャリアにおいて、そもそも正解はあり得ない。
そこに正解を見出そうとするから、無理が生じるのです。
どこかに正解があると思うから、不必要に悩んでしまうわけです。
■キャリアは“偶然”で創られる。
少し、考えてみてください。今の皆さんがしている仕事や置かれている環境は、学生の頃に想像していたとおりになっているでしょうか。
この10年(5年でもいい)を振り返ったときに、予期しなかった偶然ってどれぐらいあるでしょうか。
そんな偶然がいくつも重なって今の皆さんがあるのではないでしょうか。
私自身も5回も転職するとは思っていませんでした。今の職業も、全く想像してなかった。
■Connecting the dots:点と点を繋ぐ
「点と点の繋がりは予測できません。あとで振り返って点の繋がりに気づくのです」
スティーブ・ジョブスの言葉です。
いくつもの偶然は、そのときはその意義はわからない。
でも、あとになれば、わかる。
そう考えること、“正解はあるはずだ思考”から抜け出すことは、キャリアを切り拓くうえでの大事なステップです。